手間ひまかけて作った角煮がパサパサで硬い…
そんな残念な経験はありませんか?
諦めるのはまだ早いです!この記事では、パサつきの原因である水分と脂分を効果的に補い、お店のようなとろける食感に劇的に復活させる裏ワザを徹底解説。
基本的な再加熱はもちろん、圧力鍋や電子レンジを使った時短術、さらには二度と失敗しないための予防策まで、あなたの角煮を救う全ての情報がここにあります。
1. パサパサ角煮にがっかりしていませんか?
時間をかけてコトコト煮込み、楽しみにしていた豚の角煮。
いざ口に入れてみたら、お肉がパサパサで固い…
そんな悲しい経験はありませんか?
とろけるような食感を夢見ていただけに、そのがっかり感は大きいものですよね。
しかし、一度パサパサになってしまった角煮でも、諦めるのはまだ早いのです。
正しい知識とちょっとしたコツで、まるでお店で出てくるような、とろとろでジューシーな角煮に復活させることができます。
まずは、なぜあなたの角煮がパサパサになってしまったのか、その原因を探ることから始めましょう。
原因がわかれば、失敗は成功のもと。
次からは失敗を防ぎ、今回は見事に復活させることができます。
1.1 角煮がパサパサになる主な原因
角煮がパサついて固くなるのには、いくつかの明確な理由があります。
主な原因は「加熱」と「素材」に隠されています。
ご自身の調理工程を振り返りながら、当てはまるものがないかチェックしてみましょう。
1.1.1 煮込みすぎによる水分蒸発
角煮を柔らかくするためには長時間の煮込みが必要ですが、これがパサつきの最大の原因になることがあります。
肉のタンパク質、特にコラーゲンは、長時間加熱することでゼラチンに変化し、とろとろの食感を生み出します。
しかし、必要以上に加熱しすぎると、肉の繊維から水分や脂分が抜け出てしまい、結果としてパサパサの食感になってしまうのです。
特に、次のような状態は要注意です。
- 強火でグラグラ煮立ててしまった:煮汁が急激に蒸発し、肉に火が入りすぎてしまいます。
- 蓋をせずに長時間煮込んだ:水分がどんどん逃げてしまい、煮汁が煮詰まりすぎてしまいます。
- 煮汁が少なすぎた:肉が煮汁から顔を出している状態が続くと、その部分が乾燥して固くなります。
角煮作りは「ただ長く煮れば良い」というわけではなく、適切な火加減と水分量を保つことが、とろける食感への鍵となります。
1.1.2 肉の選び方と下処理のポイント
美味しい角煮作りの成否は、調理を開始する前の「肉選び」と「下処理」の段階で、すでに大きく左右されています。
どんなに丁寧に煮込んでも、素材選びや下準備が不適切だと、理想の食感にはたどり着きません。
角煮の魅力である「とろける脂身」と「しっとりした赤身」のバランスは、使用する豚肉の部位によって決まります。
脂身の少ない部位を選んでしまうと、どうしてもパサつきやすくなります。
ポイント | 角煮に適した肉(おすすめ) | パサつきやすい肉(注意が必要) |
---|---|---|
代表的な部位 | 豚バラブロック | 豚肩ロースブロック、豚ももブロック、豚ヒレブロック |
特徴 | 赤身と脂身が美しい層になっており、煮込むことで脂身がとろけ、赤身はしっとりと柔らかくなる。 | 赤身が多く、脂身が少ないため、長時間煮込むと肉の水分が抜けて固くパサつきやすい。 |
また、丁寧な下茹では、余分な脂やアク、臭みを取り除き、肉を柔らかくするために不可欠な工程です。
この下茹でが不十分だと、肉に味が染み込みにくくなるだけでなく、肉質が硬いまま煮込み段階に進んでしまうため、パサつきの原因となります。
美味しい角煮への道は、スーパーの精肉コーナーから始まっているのです。
2. パサパサ角煮を劇的に復活させる基本テクニック
一度パサパサになってしまった角煮も、正しい方法で手当てをすれば、まるで作りたてのようなとろける食感を取り戻すことができます。
ここでは、ご家庭で簡単に試せる2つの基本的な復活テクニック、「じっくり煮込む方法」と「圧力鍋を使う方法」を詳しく解説します。
硬くなってしまった原因である水分不足とコラーゲンの硬化を解消し、角煮を最高の状態に蘇らせましょう。
2.1 もう一度じっくり煮込む
パサついた角煮を復活させる最も確実で基本的な方法が、もう一度じっくりと煮込むことです。
失われた水分を補い、硬くなった肉の繊維(コラーゲン)を再び加熱することで、とろとろのゼラチン質へと変化させます。
時間はかかりますが、失敗が少なく、誰でも美味しい角煮を復活させることができる王道テクニックです。
2.1.1 煮汁の調整と加水
復活させる最初のステップは、煮汁の状態を確認し、適切に調整することです。
煮詰まって味が濃くなりすぎている場合が多いため、水分と調味料をバランス良く加える必要があります。
まず、鍋に残っている煮汁の味を確認しましょう。
その上で、角煮がひたひたに浸かるくらいまで水分を加えます。
このとき、冷たい水ではなく、ぬるま湯かお湯を使うのがポイントです。
急激な温度変化は肉をさらに硬くする原因になるため避けましょう。
水分と一緒に、風味を豊かにする調味料を加えるのもおすすめです。
日本酒や紹興酒は肉の臭みを消し、柔らかくする効果が期待できます。
甘みが足りなければ砂糖やみりんを少量加えます。
醤油は味が濃くなりすぎないよう、最後に味を見ながら調整するのがコツです。
2.1.2 弱火で長時間加熱のコツ
煮汁の調整が終わったら、いよいよ加熱していきます。
ここでの鉄則は「ごく弱火(とろ火)で長時間」加熱することです。
強火で加熱すると水分だけが急激に蒸発し、肉が柔らかくなる前に再びパサパサになってしまいます。
火加減 | 肉の状態 | 煮汁の状態 | 備考 |
---|---|---|---|
強火 | 表面だけが焦げ、中心部は硬いまま。さらにパサつく原因に。 | 急激に蒸発し、焦げ付きやすい。 | 復活調理には絶対NG。 |
弱火(とろ火) | 中心部までゆっくりと熱が伝わり、コラーゲンがゼラチン化して柔らかくなる。 | 表面が静かにフツフツと揺れる程度。蒸発が穏やかで味が染み込みやすい。 | 復活調理に最適な火加減。 |
鍋に蓋をしますが、少しずらして蒸気の逃げ道を作っておくと、温度の上がりすぎを防げます。
さらに、クッキングシートやアルミホイルで落し蓋をすると、煮汁の蒸発を抑え、少ない煮汁でも効率的に味を染み込ませることができます。
最低でも30分~1時間、竹串が抵抗なくスッと通るようになるまで、焦らずじっくりと加熱しましょう。
途中で煮汁が減ってきたら、必ずお湯を足してください。
2.2 圧力鍋で時短復活
「じっくり煮込む時間がない!」という方には、圧力鍋を使った時短復活術がおすすめです。
高温・高圧調理により、硬くなった肉の繊維を短時間で分解し、驚くほど柔らかく仕上げることができます。
ただし、加圧時間を間違えると煮崩れてしまうため、注意が必要です。
2.2.1 圧力鍋を使った角煮復活術
圧力鍋を使えば、わずか10分程度の加圧でパサパサの角煮がとろとろに生まれ変わります。手順は非常にシンプルです。
- パサついた角煮と煮汁を圧力鍋に入れます。
- 煮汁が足りない場合は、角煮の高さの半分くらいまで水や酒を加えます。このとき、長ネギの青い部分や生姜のスライスを一緒に入れると、風味が増してより美味しくなります。
- 蓋をして強火にかけ、圧力がかかったらすぐに弱火にします。
- 弱火で5分~10分加圧します。新品の角煮を作る時よりも大幅に短い時間で十分です。加圧しすぎは煮崩れの原因になるため、厳守してください。
- 時間がきたら火を止め、圧力が自然に下がるのを待ちます(自然放置)。急冷機能を使うと肉が硬くなることがあるため、必ず自然に圧が抜けるのを待ってください。
- 蓋を開け、お好みの濃さになるまで少し煮詰めれば、とろける角煮の完成です。
この方法なら、忙しい日でも諦めていた角煮を手軽に最高の状態へ復活させることができます。加圧時間と自然放置の2つのポイントを守ることが、成功への近道です。
3. とろける食感に劇的復活させる裏ワザ
基本的な「煮込み直し」を試しても、いまひとつとろける食感に戻らない…
そんな時に試してほしいのが、これからご紹介する「裏ワザ」です。
ご家庭にある身近な食材や調理器具を使って、パサパサになってしまった角煮に潤いと柔らかさを取り戻しましょう。
まるで作りたてのような、いえ、それ以上の美味しさに変身させるテクニックを伝授します。
3.1 脂身を補う食材を加える
角煮がパサパサになる大きな原因は、煮込む過程で肉本来の「脂」と「コラーゲン」が流れ出てしまうことです。
そこで、失われた脂とコラーゲンを直接補給するというアプローチが非常に効果的。
コクと潤いがプラスされ、驚くほどジューシーな食感が蘇ります。
3.1.1 豚バラ肉の切れ端や鶏皮を活用
もしご家庭に豚バラ肉の切れ端や、普段は捨ててしまいがちな鶏皮があれば、ぜひ活用してください。
これらは脂質とゼラチン質の宝庫です。
パサついた角煮と一緒に煮込むことで、これらの食材から溶け出した良質な脂とコラーゲンが煮汁に広がり、角煮本体に再び浸透していきます。
肉が潤いのヴェールをまとったような、しっとりとした仕上がりになります。
3.1.2 ラードや豚の背脂でコクと潤いをプラス
より手軽に、そして強力に脂分を補いたい場合は、市販のラードや豚の背脂(スーパーの精肉コーナーで手に入ることがあります)を少量加えてみましょう。
煮汁に加えると表面に脂の層ができ、これが蓋の役割を果たして水分の蒸発を防ぎます。同時に、角煮自体をコーティングしてパサつきから守り、ラーメン屋さんのような本格的で深いコクを与えてくれます。
加える量は、鍋の大きさにもよりますが、まずは小さじ1杯程度から試してみてください。
3.2 デンプン質の力でとろみを出す
煮汁がサラサラの状態だと、肉に味が絡みにくく、温め直してもすぐに乾燥してしまいます。
そこで、デンプン質の力を借りて煮汁にとろみをつけることで、タレが肉にしっかりと絡みつき、保湿効果でしっとり感をキープできます。
口当たりも滑らかになり、パサつきを感じにくくなるというメリットもあります。
3.2.1 片栗粉や葛粉で煮汁にとろみをつける
最も手軽なのが、水溶き片栗粉や葛粉を使う方法です。
角煮を煮込み直している鍋の火を一度弱め、煮汁と同量の水で溶いた片栗粉(または葛粉)を少しずつ回し入れ、優しく混ぜ合わせます。
再び弱火で1分ほど加熱し、とろみが安定したら完成です。
煮汁が肉にコーティングされ、口に入れた瞬間の満足感が格段にアップします。
3.2.2 じゃがいもや大根を一緒に煮込む
食材そのものが持つデンプン質を利用するのもおすすめです。
皮をむいて大きめに切ったじゃがいもを一緒に煮込むと、煮崩れたデンプン質が溶け出して、自然で優しいとろみが生まれます。
また、大根はそれ自体が多くの水分を含んでいるため、煮汁の潤いを保ちながら、角煮の旨味を吸って美味しい一品に。
かさ増しにもなり、食卓がより豊かになります。
3.3 アルコールと酸の力で肉を柔らかくする
硬くなってしまった肉の組織に直接働きかけ、科学の力で柔らかさを取り戻す方法もあります。
料理によく使われるアルコールや酸には、タンパク質を分解したり、保水性を高めたりする驚きの効果が秘められています。
3.3.1 日本酒や紹興酒の活用法
日本酒や紹興酒などの醸造酒に含まれるアルコールには、肉の繊維に水分を引き込み、保水性を高める効果があります。
これにより、パサついた肉がしっとりと柔らかくなります。
煮込み直しの際に大さじ1〜2杯程度加えるだけで、臭みを消し、豊かな風味をプラスする効果も期待できます。
上品な旨味を加えたいなら日本酒、中華風の深いコクと香りが欲しいなら紹興酒がおすすめです。
3.3.2 酢や梅干しを隠し味に
お酢に含まれる酢酸や、梅干しに含まれるクエン酸には、肉の硬い結合組織(コラーゲン)を分解し、柔らかくする働きがあります。
隠し味としてほんの少量加えるのが美味しく仕上げるコツです。
煮汁500mlに対し、米酢や黒酢なら小さじ1杯、梅干しなら種ごと1個程度が目安。
酸味は加熱によって飛ぶため、味が大きく変わる心配はありません。
むしろ後味がさっぱりとし、脂の多い角煮が食べやすくなります。
食材 | 主な効果 | 使用量の目安・注意点 |
---|---|---|
日本酒・紹興酒 | 肉の保水性を高め、しっとりさせる。風味とコクをプラス。 | 煮汁500mlに対し大さじ1〜2杯。アルコールをしっかり飛ばす。 |
酢・梅干し | 肉の結合組織を分解し、柔らかくする。後味をさっぱりさせる。 | 煮汁500mlに対し小さじ1杯程度。入れすぎると酸味が残るので注意。 |
3.4 電子レンジで手軽に復活させる方法
時間がないけれど、少しでも美味しく食べたい!
そんな時には電子レンジが活躍します。
鍋で煮込むほどの劇的な変化は難しいですが、ポイントを押さえればパサつきを軽減し、温かくしっとりとした状態に戻すことが可能です。
3.4.1 ラップと加熱時間のポイント
電子レンジで復活させる際の最大の敵は「乾燥」です。
水分を絶対に逃さない工夫をしましょう。
深めの耐熱皿に角煮と煮汁を入れ、ふんわりとラップをかけます。
加熱しすぎは水分を奪い、さらに硬くする逆効果になるため、必ず短い時間から試してください。
500Wで1分〜1分半ほど加熱し、一度取り出して様子を見るのがおすすめです。
温めが足りなければ、30秒ずつ追加で加熱しましょう。
3.4.2 蒸し器の活用でしっとり
もしお使いの電子レンジに「蒸し機能」があれば、ぜひ活用してください。
直接マイクロ波を当てるよりも、高温の蒸気で包み込むように温めるため、肉の水分を保ちながらふっくらと仕上がります。
蒸し機能がない場合でも、フライパンや深鍋に2cmほど水を張り、耐熱皿に乗せた角煮を置いて蓋をし、火にかける「簡易蒸し器」でも同様の効果が得られます。
この方法は、最も優しく角煮を復活させられるテクニックの一つです。
4. 二度と角煮をパサパサにしないための予防策
一度角煮作りで失敗してしまうと、次もパサパサになるのではないかと不安になりますよね。
しかし、いくつかの重要なポイントを押さえるだけで、失敗のリスクは劇的に減らせます。
ここでは、お店で食べるようなとろける角煮を家庭で再現するために、調理の各段階で実践したい予防策を詳しく解説します。
4.1 適切な肉選びと下茹で
美味しい角煮作りの成否は、実は鍋に火をかける前の「準備段階」で8割が決まると言っても過言ではありません。
最高の素材を選び、丁寧な下処理を施すことが、とろける食感への第一歩です。
4.1.1 バラ肉の選び方と下処理
角煮の主役である豚バラ肉。
どの部位を選ぶかで、仕上がりのジューシーさが大きく変わります。
スーパーの精肉コーナーで、ぜひ最高の素材を見極めてください。
理想は、赤身と脂身が均等に5層ほど重なっている「三枚肉」です。
脂身が多すぎると感じても、長時間煮込む過程で余分な脂は抜け、コラーゲン質がとろりとした食感に変わるため、適度な脂身はむしろ不可欠です。
また、厚みも重要で、最低でも3cm、できれば4〜5cmほどの厚みがあるブロック肉を選びましょう。
薄い肉は火が通りやすく、水分が抜けやすいためパサつきの原因となります。
購入した肉は、調理前に焼き固める「焼き付け」の工程を加えましょう。
フライパンに少量の油をひき、肉の各面にこんがりとした焼き色をつけます。
このひと手間で、肉の旨味を内部に閉じ込め、煮込んでいる最中の煮崩れを防ぐ効果があります。
4.1.2 アク取りと臭み消しの重要性
肉を選んだら、次に行うのが「下茹で」です。
この工程は、豚肉特有の臭みや余分な脂を取り除き、すっきりと上品な味わいに仕上げるために欠かせません。
鍋にブロック肉と、肉が完全に浸かるくらいのたっぷりの水(または米のとぎ汁)を入れます。
ここに、臭み消しとして長ネギの青い部分や生姜の皮(またはスライス)を加えるのが定番です。
火にかけて沸騰したら弱火にし、コトコトと30分〜1時間ほど茹でましょう。
米のとぎ汁を使うと、お米に含まれる酵素の働きで肉がより柔らかくなる効果も期待できます。
下茹で中に浮いてくる灰色の泡(アク)は、雑味や臭みの元です。
アクを放置すると、せっかくの煮汁が濁り、肉に嫌な臭いが戻ってしまいます。
お玉やアク取り網で、こまめに丁寧に取り除くことを徹底してください。
この丁寧なアク取りが、クリアで美味しい角煮への近道です。
4.2 煮込み中の火加減と時間管理
完璧な下準備をしても、煮込み方一つで全てが台無しになることも。
とろける食感を生み出すには、焦らずじっくりと時間をかける「火加減」と「時間管理」が鍵となります。
4.2.1 とろ火でじっくり煮込む秘訣
角煮を煮込む際の鉄則は、決して強火でグラグラと沸騰させないことです。
強火で加熱すると、肉のタンパク質が急激に収縮・硬化し、中の水分が一気に流れ出てしまいます。
これがパサパサになる最大の原因です。
火加減は、常に煮汁の表面が静かにフツフツと揺れる程度の「とろ火」をキープしてください。
また、落し蓋(クッキングシートで代用可)をすることで、少ない煮汁でも効率よく熱が循環し、肉全体に均一に味が染み渡ります。
最低でも1時間半〜2時間は、焦らずじっくりと煮込みましょう。
時間に余裕があれば、一度火を止めて完全に冷ます工程を挟むのがおすすめです。
食材は温度が下がる過程で味を吸収するため、より一層味わい深く仕上がります。
4.2.2 煮崩れを防ぐポイント
とろける食感と、形が崩れすぎてしまうのは紙一重です。
箸で持ち上げられる程度の形は保ちたいもの。
煮崩れを防ぐには、いくつかのコツがあります。
まず、下茹でが終わった肉は、一度流水で表面の汚れやアクを優しく洗い流しましょう。
そして、煮込み始めたら、味の染み込み具合が気になっても、菜箸などで肉を頻繁に突いたり動かしたりしないこと。
肉が最も柔らかくなっている状態なので、優しく扱うことが大切です。
また、使用する鍋のサイズも意外と重要です。
肉同士が重なり合って潰れてしまわないよう、鍋の底にちょうどよく並ぶくらいの大きさの鍋を選ぶと、きれいな形のまま仕上げやすくなります。
4.3 保存方法の工夫
時間と手間をかけて作った角煮は、一度にたくさん作って保存しておくのが賢い方法です。
しかし、保存方法を間違えると、せっかくの美味しさが半減してしまいます。
次回も最高の状態で味わうための、正しい保存のコツをご紹介します。
4.3.1 冷蔵冷凍保存のコツ
角煮を保存する上で最も大切なことは、必ず煮汁に浸した状態で保存することです。
肉が空気に触れると乾燥し、酸化が進んでしまいます。
煮汁が肉をコーティングし、潤いを保つバリアの役割を果たしてくれます。
粗熱が取れたら、保存容器やジッパー付き保存袋に角煮とたっぷりの煮汁を一緒に入れます。
冷蔵保存であれば3〜4日、冷凍保存であれば約1ヶ月を目安に食べきりましょう。
冷凍する場合は、1食分ずつ小分けにしておくと、再加熱の際に便利です。
保存袋に入れる際は、できるだけ空気を抜いてから封をすると、冷凍焼けを防ぐことができます。
4.3.2 再加熱時の注意点
保存した角煮を再び温める際も、パサつきを防ぐための注意が必要です。
急激な温度変化は肉を硬くする原因になるため、ゆっくり優しく温めることを心がけましょう。
最もおすすめなのは、鍋を使った再加熱です。
冷凍した角煮は、できれば冷蔵庫で自然解凍してから鍋に移し、弱火でゆっくりと温めてください。
煮汁が煮詰まっている場合は、水や日本酒を少量加えて調整します。
電子レンジを使う場合は、加熱しすぎに要注意。
耐熱容器に移してふんわりとラップをかけ、短い時間から様子を見ながら加熱しましょう。
保存方法 | 期間の目安 | ポイントと注意点 |
---|---|---|
冷蔵保存 | 3〜4日 | ・必ず煮汁に浸して密閉容器に入れる。 ・表面に固まった白い脂(ラード)は旨味なので、捨てずに一緒に温める。 |
冷凍保存 | 約1ヶ月 | ・1食分ずつ煮汁と一緒にジッパー付き保存袋に入れる。 ・空気をしっかり抜いてから冷凍する(冷凍焼け防止)。 |
再加熱 | – | ・【推奨】鍋に移し、弱火でゆっくり温める。 ・【レンジの場合】加熱しすぎに注意。短い時間で様子を見ながら温める。 |
5. 復活した角煮をさらに美味しく!アレンジレシピ
パサパサの状態から見事に復活を遂げた角煮。そのままでも十分美味しいですが、せっかくならその旨味を最大限に活かしたアレンジレシピに挑戦してみませんか?
とろける食感と濃厚な煮汁を余すことなく活用すれば、普段の食卓がワンランクアップすること間違いなしです。
ここでは、定番から意外なものまで、復活した角煮を使った絶品アレンジレシピをご紹介します。
5.1 とろとろ角煮が主役!絶品角煮丼
角煮アレンジの王道といえば、やはり「角煮丼」。
甘辛い煮汁が染み込んだご飯と、とろける角煮のコンビネーションは、誰もが虜になる美味しさです。
復活させた角煮を使えば、味がしっかり染み込んでいるため、短時間で本格的な味わいが完成します。
5.1.1 材料(1人分)
材料名 | 分量 |
---|---|
復活させた角煮 | 2〜3切れ |
角煮の煮汁 | 大さじ3〜4 |
温かいご飯 | 丼1杯分 |
(お好みで)煮卵 | 1個 |
(お好みで)白髪ネギや青ネギ | 適量 |
(お好みで)練りがらし | 少々 |
5.1.2 作り方
- 小鍋に角煮と煮汁を入れ、弱火で温め直します。
- 丼に温かいご飯を盛り付けます。
- ご飯の上に温めた角煮を乗せ、鍋に残った煮汁を全体に回しかけます。これが美味しさの最大のポイントです。
- お好みで半分に切った煮卵を添え、白髪ネギや小口切りにした青ネギを散らせば完成です。味のアクセントに練りがらしを添えるのもおすすめです。
5.2 ふわふわ生地と相性抜群!お手軽角煮まん
中華街で食べるような本格的な角煮まんも、市販の肉まんの皮(パオ)や食パンを使えば、お家で手軽に楽しめます。
角煮を少し粗めに刻むことで、肉の食感をしっかり感じられる一品になります。
5.2.1 材料(2個分)
材料名 | 分量 |
---|---|
復活させた角煮 | 2切れ |
角煮の煮汁 | 小さじ1〜2 |
市販の肉まんの皮(パオ) | 2枚 |
(お好みで)刻んだ長ネギや椎茸 | 少々 |
5.2.2 作り方
- 角煮を5mm〜1cm角程度に粗く刻みます。お好みで刻んだ長ネギや椎茸も加えます。
- 刻んだ角煮に煮汁を少量加えて混ぜ合わせ、餡に潤いを持たせます。
- 市販の肉まんの皮に餡を乗せて包みます。
- 蒸し器で5〜7分ほど蒸します。蒸し器がない場合は、濡らしたキッチンペーパーを敷いた耐熱皿に乗せ、ふんわりとラップをかけて電子レンジ(600W)で1分〜1分半ほど加熱してもOKです。
5.3 旨味が凝縮!本格中華風角煮チャーハン
角煮の旨味と香ばしい煮汁が、ご飯一粒一粒にコーティングされた絶品チャーハン。
醤油の代わりに角煮の煮汁を使うことで、家庭では出せないような奥深い味わいが生まれます。
パラパラに仕上げるコツも必見です。
5.3.1 材料(1人分)
材料名 | 分量 |
---|---|
復活させた角煮 | 1〜2切れ |
角煮の煮汁 | 大さじ1〜2 |
ご飯 | お茶碗1杯分(約200g) |
卵 | 1個 |
長ネギ | 1/4本 |
ごま油 | 大さじ1 |
塩、こしょう | 少々 |
5.3.2 作り方
- 角煮は1cm角に切り、長ネギはみじん切りにします。卵は溶きほぐしておきます。
- フライパンにごま油を熱し、溶き卵を流し入れて半熟状になったら、すぐにご飯を加えて手早く炒め合わせます(卵かけご飯のように、先にご飯と卵を混ぜておくのもおすすめです)。
- ご飯がパラパラになったら、角煮と長ネギを加えて炒めます。
- フライパンの鍋肌から角煮の煮汁を回し入れ、香りを立たせながら全体に絡めます。最後に塩、こしょうで味を調えたら完成です。
5.4 味が染み込む!和風角煮大根
角煮の旨味を吸い込んだ大根がたまらない、ご飯が進む和風の煮物です。
復活させた角煮を使うことで、煮込み時間が短縮でき、味の染みた美味しい一品が手軽に作れます。
煮汁に和風だしを加えるのがポイントです。
5.4.1 材料(2人分)
材料名 | 分量 |
---|---|
復活させた角煮 | 3〜4切れ |
角煮の煮汁 | 100ml |
大根 | 1/4本(約250g) |
和風だし汁 | 200ml |
(お好みで)ゆで卵や絹さや | 適量 |
5.4.2 作り方
- 大根は2cm厚の半月切りにし、面取りをします。米のとぎ汁(または水に米をひとつまみ入れたもの)で10分ほど下茹でし、竹串がすっと通るくらいになったらザルにあげます。
- 鍋に下茹でした大根、角煮、角煮の煮汁、和風だし汁を入れて火にかけます。
- 煮立ったら落し蓋をして、弱火で15〜20分ほど、大根に味が染み込むまで煮込みます。
- 火を止めて一度冷ますと、さらに味が染み込みます。食べる前にもう一度温め直し、お好みで彩りに絹さやなどを添えてください。
6. まとめ
パサパサになってしまった角煮も、諦める必要はありません。
主な原因である水分と脂分の不足を補うことで、とろけるような食感に復活させることが可能です。
基本は煮汁を足して弱火で煮込むことですが、圧力鍋を使えば時短もできます。
さらに、ラードや大根、日本酒などを加える裏ワザを試せば、より一層美味しく仕上がります。
この記事で紹介した復活術と予防策を参考に、いつでも絶品の角煮をご家庭で楽しんでください。